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2011年9月17日 (土曜日)

(その21)首振地蔵さんは多忙です

 先日、所用があり清水寺の近くまで行く機会があった。ほととんぼは京都の住人で、いまさら清水さんにおカネを払ってまで参拝しようとは思わないが、ふと、仁王門のすぐ脇にある善光寺堂に「首振地蔵」という“ご利益さん”があるのを思い出した。

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 (清水寺の仁王門とすぐ奥の三重塔)

 首振地蔵は、50センチほどの高さのお地蔵さま。その名のとおり、首の部分を360度まわすことができ、願い事のある方向に首をまわしてお願いすれば、かなえられると言われている。借金などで首のまわらない人は、首がまわるようになる、ということで、知る人ぞ知る、京都のご利益スポットである。

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 善光寺堂(普段、首振地蔵さんは右側の祠におられる)

 差し迫った借金はないけれど、今後のこともあるし、久しぶりに近所まで来たのだからおまいりしておこうと思って、お堂に足を向けた。ところが、お地蔵さまはおられずに、貼り紙がしてあるではないか! そこには 「首ふり地蔵は出開帳中です」との文字が…。よく読めば、8月はじめから12月11日まで、長野・広島・宮崎の美術館の「清水寺展」で順次展示されているらしい。なんでも、時々出張開帳されているようで、全国各地で結構人気とのこと。

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 実は、現在の首振地蔵は二代目で、江戸時代に作られたとされる初代のお地蔵さまは、今も格子の奥に鎮座されている。ご利益を願う人々が、あまりにも首をまわし続けたため、初代ご自身の首がまわらなくなり、しまいには頭が落ちてしまう事態になったので、二代目を新調したとのことである。

  決して景気がいいとは言えない昨今、ご利益を願う人々が全国に満ちているのだろうか。今回、お地蔵さまの首をまわしておまいりできなかったのは残念だったが、多忙な二代目の身を案じつつ、格子の奥に鎮座されている初代に向かって手を合わせておきました。

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(昔撮影した二代目の写真)

 

 

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