(その58)「火怨」(高橋克彦著)を読んで
ほととんぼは読書好きです。
といっても、いわゆる新刊はほとんど読みません。古本まつり等で買った本を、少しずつ読み進めています。今回は「火怨」を読んでみることにしました。蔵書リストによると購入日が書いてないので、2005年以前に買ったままになっていたものです。震災以降、東北地方に気持ちがいっていることもあって、本棚の中から、ふと目にとまったのでした。
高橋克彦の作品を読むのは「写楽殺人事件」「炎立つ」について三作目です。主人公、阿弖流為の名前は「炎立つ」を読んだときに、名前だけは覚えていました。
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小説を読む楽しみのひとつに、作品の舞台を訪ねてみることがあります。「炎立つ」はNHK大河ドラマの原作になり、18年前、ほととんぼはロケ地の岩手県奥州市「えさし藤原の郷」まで足を運んだことがあります。また坂上田村麻呂が建立したという京都、清水寺に阿弖流為と母礼の顕彰碑を見た覚えがあります。
講談社文庫で上下二巻ですが、ほぼ一気に読み終えることができました。とても読みごたえがあり、読後感もよかったです。大和朝廷と戦う蝦夷の情熱がひしひしと伝わってきますし、なんといっても作者の東北地方への思い入れを深く感じる力作です。
1200年の時を越え、当時の人々の情熱と業績が読み継がれていくことを願います。
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