「しぼむ」と「すぼむ(つぼむ)」に関する一考察
しぼむ&すぼむ・つぼむの違いについて。
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1、パソコンでしぼむを変換すると(萎む、凋む)が出てきます。漢和辞典で「萎」を引くと「なえる、しぼむ、しおれる、ちぢむ…」とあります。(例)委縮。 「凋」を引くと「しぼむ、草木がしおれる、弱る…」とあります。ちなみに「冫」の部分は氷をあらわしているそうです。(例)凋落。 このことから、
しぼむ(萎む・凋む)=『いったん膨らんだものが小さくなる』
って感じでしょうか。
2、次にすぼむ・つぼむを変換すると(窄む)が出ます。漢和辞典で「窄」を引くと「せまい、せばまる…」とあります。(例)狭窄。 なので、
すぼむ・つぼむ(窄む)=『現在のものから先細り』
って感じでしょうか。
3、では具体的な使用例を挙げてみましょう。
①、「○夢がしぼむ」、「×夢がすぼむ」
→夢というのはいったんは膨らむものです。膨らんだものが小さくなるので○しぼむでいいですね。
②、「○(裾の)すぼんだズボン」、「×(裾の)しぼんだズボン」
→ズボンはその形から、先細りをあらわす○すぼむで問題ないですね。
③、「○風船がしぼむ」、「○風船がすぼむ」
→あれ? どちらも○がつきました。風船は膨らむものですから、本来はしぼむはずです。なのにすぼむと言ってもそれほど違和感はないのはどうしてでしょう?
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というわけで、この使い分け、ちとビミョーです。他にも用例はあるのでしょうが、今回の考察はここまでです。…あらら、尻すぼみの記事になってしまいました。
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