「福翁自伝」を読んで、「適塾」を訪ねた話。
日本の自伝文学の中で最高傑作といわれている福翁自伝。たしかにおもしろかったー。 読後の感想はネットでイヤというほど公開されていますからこれ以上書くこともないのですが、それにしても読んだ記念に何か書いておきたくなります。
というわけで、先日大阪に行った際、福沢諭吉も学んだという緒方洪庵の適塾に寄ってみました。ここは司馬遼太郎の書いたものにもよく出てきますし、一度行ってみたかったのです。
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今や一万円札の代名詞となった諭吉さん。まず天性の頭のよさ、記憶力がすばらしい。そこへもってきてこの人、とにかく読書好き・勉強好き。人間が違う。努力の度合いが違う。ヒマさえあれば本を読んでたって感じ。さらに話の展開がおもしろい! 結構ハメをはずしているにもかかわらず、どんどん登用され、認められ、出世していきます。福沢諭吉の偉さがよくわかりました。やっぱりお札に肖像が載るような人は違いますね。私は一万円札を使うたびに、「お疲れさまです。またお会いできることを楽しみにしています」とあいさつするようになりました(笑)
↑福沢諭吉が二十歳のころから数年間在籍したという適塾です。受付がわからなくて戸惑いました。玄関を入ったところに誰かがいそうなものですが姿が見えません。あがって右側の障子の向こうにおられました。 250円払って、見学所要時間は15分くらいでした。
↑だれでも驚くのがこの階段の高さ。30㎝以上あります。これだけでも見学にきた甲斐があるかも。
↑二階の大部屋から撮った風景。昔はどこでも、町屋から見た景色はこんな感じでしたね。その他、各種展示物がありますが撮影禁止でした。
適塾は現在は大阪大学が管理しているのだそうです。福沢諭吉だけでなく、幕末のいろんな人がここで学んでおられました。 「へぇ、そうなんや。この人も…、この人も…、ここで学んでたんや」 とばかりに、名前を追うだけで感激しました。
福翁自伝は学問ノススメなどと違って読みやすいです。一般人には敷居が高いと思われがちですが、ごく普通の読み物としておススメです。
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