七ツ下りの雨。
今日、京は雨。 ほぼ終日の雨模様、冬の雨です。そこで思い出した雨の話。それは最近読んだ永井荷風の墨東綺譚(濹東綺譚)にあった「七ツ下りの雨」という言葉です。
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「午後4時過ぎ(七つ下がり)から降り始めた雨はなかなかやまないことから、四十過ぎ(中年過ぎ)から覚えた道楽はなかなかやめられない、ことのたとえ」
なのだそうです。へ~、なるほどねぇ。知らなかったー。六つが午後6時、七つが午後4時、八つが午後2時で、九つがお昼12時。…なんで時刻にさかのぼってそう呼ぶのかはまたの機会に調べるとして、夕方4時過ぎから降る雨って、本当にやみにくいのかなぁ、あんまり実感がないです。ただ、この「七ツ下りの雨」っていう言い方はオシャレですねぇ。
どことなしに物憂い語感と、おじさんになってから覚えた遊びはやまないっていうたとえがいいですねぇ。ぴったりはまっています。落語の謎かけ風に言うならば、その心は『どちらも家に帰れなくなります』ってところですか(笑)
これ、知っている人にはなんでもない有名な言い回しなのだそうです。 ほととんぼは、こういう言葉遊びが大好きです。日本語って美しいなぁって思います。
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