七草粥(西院春日神社にて)
2012年1月7日。新年も早七日が過ぎ、七日正月を迎えました。西大路四条からほど近い西院春日神社へ七草粥の接待を受けに行きました。
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本殿へのおまいりを済ませ、七草粥接待の列に並びました。これまで何度か来たことがありますが、こんなに大勢の方が並んでおられるのは初めてです。時刻はお昼過ぎでした。
列の途中に御神酒の樽がありました。
のぞいてみると金箔が浮き沈みしています。 これはめでたい!
さっそくいただく、うちのお年寄り。
受付で¥300払って引換券をもらいます。席に座ってしばらく待っていると、巫女さんがお盆に乗った七草粥を持ってきてくれました。
おかゆさんと小芋・昆布・梅干・お茶がセットになっています。今年は例年よりもおいしかった! 例年、昆布の味がおいしくて印象に残るのですが、今年のはおかゆ・小芋も上々のお味でした。京都の年中行事のひとつとはいえ、¥300が安く感じましたよ(笑)
ここで王朝の女流歌人赤染衛門(あかぞめえもん)の歌をみつけました。
【かすがののけふななくさのこれならできみをとふひはいつぞともなし】
(春日野の今日七草のこれならで 君を問う日は何時ぞともなし)
意訳:春日野の今日の七草摘みの機会を逃したら(来られないとしたら)、あなたを訪ねる日はいつになるかわからないと思うの
この歌には「正月七日 若菜人にやるとて」という前書きがあります。自分自身の恋の歌なのか、それともだれかに頼まれて作った代作歌なのか、歌としてはちょっとストレートすぎて好きじゃないなぁ。そういえば、百人一首に採られている赤染衛門の「やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな」も代作だといいます。そのせいか語呂がよくて知的なんだけれども、どこか気持ちが籠っていない感じがするんですよねぇ。今回は春日野と春日神社がぴったり合うので紹介してみた次第です。
西院春日神社の七草粥接待は、毎年1月7日に行われています。今年の場合、時間は11:00~16:00となっていました。ただ、材料がなくなったら終わりみたいですのでご注意ください。
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※2013年七草粥(御香宮にて)の記事はこちら。
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