「弁」という字のこと
弁えると書いて「わきまえる」と読みます。物事の道理を知っているという意味の「わきまえる」です。なかなか読めない漢字のひとつだと思い、ちょっと調べてみました。
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実は「弁」という字はもともと辨、辯、瓣、弁など数種類あったものを、戦後の漢字制限でまとめて弁と書くようにしたのだそうです。たとえば、
辨=区別する、分ける →「遮断弁」はこの意味
辯=うまくものを言う、口先がうまい→「雄弁」「弁護士」はこの意味
瓣=花びら→「花弁」はこの意味
弁=冠→「武弁(昔の中国の武人がかぶっていた)」
これらはすべてべんと発音しますが、本来「辡」をべんと読むそうで、「辛」と「辛」の間に「リ」「言」「瓜」をはさんで意味をなす会意文字です。
では「辛(しん)」とは何でしょうか? 調べたら、辛い(からい)、辛い(つらい)、辛うじて(かろうじて)、辛(かのと=十干の八番目、2011年は辛卯)とありました。「辛」は象形文字で「入れ墨する針の形にかたどる」とあります。イメージとしては「針」と 「針」の間に「リ」「言」「瓜」などをはさんでいくつかの漢字ができていることになり、ものごとの理非を区別する「弁える」は、このうち「辨」にあたることがわかります。
しかし、わたしのつたない調査でわかったのはここまでです。結局どうして上のような意味になるのか? 「辛」とそれぞれの漢字とのつながりがよくわかりませんでした。ここに弁解しておきます(苦笑)
(ほととんぼは物好きなだけで、国語に精通しているわけではないことをおことわりしておきます。参考資料「新明解漢和辞典(第四版)」)
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