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2012年2月11日 (土曜日)

笑って答えず…(李白「山中問答」より)

問余何意棲碧山(よにとう なんのいあってか へきざんにすむと)

笑而不答心自閑(わらってこたえず こころおのずから かんなり)

桃花流水窅然去(とうかりゅうすいは ようぜんとしてさる)

別有天地非人間(べつにてんちの じんかんにあらざるあり)

 

李白の「山中問答」と呼ばれている詩です。以下、つれづれに任せて創作してみました…

 

ーーーーーーーーーー

 

李白さん、いったいどういうつもりこんな山奥に住んでるんです? 頭がよくて才能のあるあなたのこと。都会に出れば人気者になれると思うんだけど?」

 

はははは。どうしてかなぁ。はははは…

 

「もう、笑ってばかりいないで!」

 

「怒られちゃったよ。ただ、こういう大自然の大きな風景の中に暮らしていると、心が晴れてのどかな気分になれるのさ。私は都会暮らしには向いてない」

 

「それだけ詩が上手に作れれば社交界で活躍できるでしょうに…。宮中からお声がかかるんじゃないの?」

 

「宮仕えなんてくそくらぇだ。わけのわからないしきたりはあるし、頭をペコペコ下げてばかりで面倒だし。どっちにしろお酒で失敗するのが関の山」

 

「残念だなぁ」

 

川に浮かんだ桃の花が無心に流れ去っていくように、ここならば何もわずらわされることなく過ごせる

 

「そういうものかなぁ」

 

ここには俗人の世界にはない別天地がある。お酒は存分に飲める。うまいものはたらふく食える。人にへつらうことなく詩が詠める…“人生意を得ればすべからく歓を尽くすべし” …どうだ、すばらしいじゃないか!」

 

「変な人だねぇ」

 

「はははは。この気持ち、わかる人にはわかるのさ。はははは…」

 

ーーーーー

余に問う何の意あってか碧山に棲むと

笑って答えず心自ずから閑なり

桃花流水は窅然として去る

別に天地の人間に非らざる有り

【168】

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