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2012年2月25日 (土曜日)

蕪村と梅と北野天満宮

二月二十五日は「梅花祭」。朝の雨も昼ごろには止み、大賑わいの北野天満宮におまいりした。北野天満宮といえば梅、梅といえば蕪村の句ということで、今回は何句か鑑賞しながら境内を歩いてみた。

1822

【東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな】

この歌は菅公の御歌(拾遺集)。まずは、敬意を表して門前にて記念撮影。

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大賑わいの参道&縁日を抜け、境内を進んで行く。梅花祭当日とはいえ、梅はせいぜい二分~三分咲き。梅見にはまだちょっと早いかな? って感じ。

1823
そんな中、上の梅↑と

【二もとの梅に遅速を愛す哉(ふたもとのうめにちそくをあいすかな)

下の梅と↓

1824

まず一句目、なかなかいい。さすがに蕪村、『愛す哉』がすばらしい。さらにあたりをよく見てみれば…

1828

↑この枝も

【こちの梅も隣のうめも咲きにけり(こちのうめもとなりのうめもさきにけり)

この枝も↓

1829

こういう句を正岡子規は写生の手本としたのだろうか? 私にはなんでもない句としか思えないが…(苦笑) とりあえず、それなりに咲いていることに気がついた。

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梅花祭に目を向けてみる。境内の広いスペースにて野点のイベントが開かれていた。もちろん有料席。外から覗き込んで写真を撮る人多数。そこで次の句…

1827

【しら梅や誰むかしより垣の外(しらうめやたがむかしよりかきのそと)

蕪村が詠んだ情景とは違うだろうけど、写真のイメージには合っている。 ん? 現代の野点席は垣ではなく、紅白の幕に囲まれていた。梅も白梅ではなく紅梅。まぁいいか。蕪村の頃にも、やらせの句はあったろう(笑)

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さらに梅を求めて境内をうろうろと…

1825_3

結構咲いている。↑こっちにも

【梅遠近南すべく北すべく(うめおちこちみんなみすべくきたすべく)

↓こっちにも

1826_2

この句、遠近と書いて『おちこち』、南を『みんなみ』と調べがいい。こういう句が蕪村には多いと思うけどなぁ。ただの写生句とは思えない。

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ところで私の一番好きな蕪村の梅の句は

しら梅や北野の茶店にすまひ取(しらうめやきたののちゃやにすもうとり)】

なんといっても北野の地名が出てくるのがいい。ぜひここで載せておきたいのだが、まさかお相撲さんが今日梅見に来ているとは思えないし、この句に合った写真が撮れない。仕方ないので別案を工夫した。

18210_2

一応白梅は写っている。お相撲さんの代わりに太った牛さんで代用。これに茶屋がアレンジできていれば言うことはないのだけれど、そうは簡単にいかない。来年の課題ということにしておこう(苦笑)

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蕪村の梅の句、ほかにもたくさんあるけれど、最後にもう一句。

【梅咲きぬどれがむめやらうめじゃやら】

今回はここまで。

【182】

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