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2012年2月 8日 (水曜日)

「真味只是淡」…何のこと?

先日訪れた京料理のお店の掛け軸に

 

【真味只是淡】

 

とありました。はて? 何のこと?

 

さっそく調べてみました。

 

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これは中国明時代の人、洪自誠の書いた「菜根譚」の一節でした(前集7)

 醲肥辛甘非真味(じょうひしんかんはしんみにあらず)

 真味只是淡(しんみはただこれたんなり)

 神奇卓異非至人(しんきたくいはしじんにあらず)

 至人只是常(しじんはただこれじょうなり)

(意訳)濃い酒、脂っこい肉、辛いもの、甘いもの、このような濃い味はほんものの味ではない。ほんものの味はただ淡白なものである。(同じように)神のように奇異で才能あふれた人が至人ではない。至人というのはごく普通の人に見えるものである。(至人=道をきわめた人)

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いいですねぇ。料理といい人間といい、素材を生かしつつも素朴なのが、最も味わい深いということです。京料理は薄味です。掛け軸にするにはもってこいです。

しんみはただこれたんなり」「しじんはただこれじょうなり…そんなことで『至人』になれるなら、これからは努めて普通のおじさんでいようかな(笑)

【165】

 

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