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2012年3月14日 (水曜日)

八方美人のススメ(イケズな話)

【世の中は左様然らば御尤もさうで厶るか確と存ぜぬ】

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この言葉、『よのなかは さようしからば ごもっとも そうでござるか しかとぞんぜぬ』と読みます。一応、五七五七七で狂歌の体裁になっています。世渡り上手の処世術を言い表したもので、次の五つの言葉さえ知っていれば、人と争うことなく八方美人的な人間関係を築くことができるという意味です。

左様(さよう)→そう。そのとおり。

然らば(しからば)→ということは。それならば。(「然らば、云々」と、言い換える時に使う)

御尤も(ごもっとも)→なるほど。道理にかなっている。

さうで厶か(そうでござるか)→そういうことですか!(「!」を付けるとより効果的)

確と存ぜぬ(しかとぞんぜぬ)→はっきりとは知らないのですが…(あやふやにごまかす)

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とはいえ、これは他人に対する表面の態度として表わすだけであって、実際の行動としては必ずしもすべて相手に従うわけではありません。相槌は打つが、腹の中では別のことを考えている。いわゆる腹が黒いってやつです。たとえば一昔前の京都のお年寄りが、若い者に説教口調で言うとすれば、こんな感じ。

『ええか。世の中っちゅうもんはな、「そうです、そのとおりでございます」、「ということは、こういうことですわねぇ」、「なるほど、それは道理ですな」、「あっ、そういうことですか!」、「いやぁ、はっきりとは知らんのですけど…」 と、この五つを言い分けときゃ、他人ともめることはまずない。そんなもん、納得してへんでもかまへん。何言われても、とりあえず相槌打っときゃええねん。上下関係をうまいことこなすにはこの方法に限る。上司、先生、友人、誰にでも使えるさかい。それが世渡り上手っちゅうもんや。長いもんには巻かれろ、寄らば大樹の陰、皆似たようなことを言うとる…。な、わかるやろ。そうやって出世していったやつを、幾らでも知ってるでぇ…』

いかがですか? 京都の人にありがちな「イケズな話」でしょう。あんまり大きな声では言えませんけど。

(念のため追記しておきますが、上の狂歌、決して京都の人だけを詠んでいるのではないです。日本人全体の習性ということです。ちなみに私も京都人です。京都人が嫌われるのはこういうところにあるのでしょうか。というか、こんなことを書くから嫌われるのでしょうか。あー、いやだ、いやだ。)

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