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2012年3月 9日 (金曜日)

早発白帝城(李白)

早発白帝城(つとにはくていじょうをはっす)】

朝辞白帝彩雲間(あしたにじす はくていさいうんのかん)

千里江陵一日環(せんりのこうりょう いちじつにしてかえる)

両岸猿声啼不住(りょうがんのえんせい ないてやまざるに)

軽舟己過万重山(けいしゅうすでにすぐ ばんちょうのやま)

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(意訳)

 

【早朝、白帝城を出発す】

 

朝焼け雲鮮やかな白帝城を出発し、千里かなたの江陵まで一日で帰ってゆく。両岸の猿の啼き声がまだやまないうちに、船足は軽く幾重もの山を過ぎていった。

 

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この詩、大好きです。何と言っても風景がデカイ!言葉がわかりやすく、リズムもよく、一気に覚えることができます。

①まず一句目の「彩雲の間」がすばらしい。この雲はきっとピンク色です。登山用語でいえばモルゲンロートってやつ。私も一度だけ木曽御岳に行ったとき、見たことがあります。あれは美しかった! この世のものとは思われないくらいでした。

②二句目の「一日」を「いちじつ」と読むところがすばらしい。現代人からみれば、とてもおしゃれです。

③そして三句目、ここに出てくる猿はニホンザルではありません。あれは「キャッキャッ」と鳴いて、詩とイメージが合いません。解釈を教えてもらっている漢詩の先生がおっしゃるには、テナガザルとのことです。テナガザルは歌を歌うのだそうです。いまは想像に頼るしかありませんが、悲しげな長い啼き声が似つかわしく思われます。

④四句目の「万重の山」がすばらしい。李白の詩はおおむね大げさですが、この詩を締めくくるのにぴったりの言い回しです。『ばんちょうのやま。ばんちょうのやま。ばんちょうのやま…』と舌頭を千転させながら、雄大な景色を思い浮かべます。

盛唐の李白・杜甫は情熱の詩人、中唐の白楽天は愛情の詩人、と吉川幸次郎先生が何かに書いておられました。まさにこの詩には李白の情熱があふれています。ぜひ声に出して読んでみてください。李白の情熱が伝わって、元気になれます。

(ほととんぼは漢詩に精通しているわけではありません。勝手な鑑賞です)

【195】

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