« 堪能!…2012府立植物園夜桜ライトアップ | トップページ | 一茶の桜の句(桜を詠んだ詩歌5) »

2012年4月11日 (水曜日)

桜花…(桜を詠んだ詩歌4)

桜を詠んだ和歌をいくつか鑑賞してみます。

ーーーーーーーーーー

桜花今そ盛りと人は云へどわれはさぶしも君としあらねば(大伴池主・万葉集4074)

意訳:桜の花は今こそ盛りと人々は言うけれど、私は寂しい、あなたと一緒ではないから

2271

大伴池主(おおとものいけぬし)は、大伴家持と同族ということもあり、深い親交があったようです。「君としあらねば」の君は家持のことだともされていますが、ここは恋の歌と解釈して、女性と考えたいですね。西暦757年に橘奈良麻呂の乱に関与して投獄され、刑死または獄死したのではないかと考えられています。この歌のとおり、情熱的な人物だったのでしょう。

ーーーーーーーーーー

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平・古今集53)

意訳:この世の中に全く桜というものがなかったら、きっと春の心はのどかであろうに(あぁ、ながめているだけで胸がさわぐ)

2272

在原業平(ありはらのなりひら)は六歌仙のひとりです。古今集の序に「その心あまりて言葉たらず」と評されているとおり、余情の深い感動の歌を詠みます。伊勢物語の主人公で、この歌は大阪・枚方の渚の院で詠んだことになっています。私の好きな歌人のひとりです。

ーーーーーーーーーー

色みえでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける(小野小町・古今集797)

意訳:(桜の花が咲いてまた散るように)目立っては見えないけれど、移っていくものは、人の心の花であることだ

2273

小野小町(おののこまち)は六歌仙のひとりです。平安時代前期、在原業平と同時代の女性ですが、生涯は伝説に包まれています。情熱的でありながら、どことなしに冷めた、けだるい歌を詠みます。クレオパトラ・楊貴妃、そして小野小町と世界三大美女のひとりとされていて、絶世の美女だったと言われているだけに、興味をそそります。

【228】

« 堪能!…2012府立植物園夜桜ライトアップ | トップページ | 一茶の桜の句(桜を詠んだ詩歌5) »

季節の話題」カテゴリの記事

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 桜花…(桜を詠んだ詩歌4):

« 堪能!…2012府立植物園夜桜ライトアップ | トップページ | 一茶の桜の句(桜を詠んだ詩歌5) »