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2012年4月29日 (日曜日)

茶畠に入日しづもる在所かな(芥川龍之介)

まもなく八十八夜です。

 

立春から数えて八十八日目、2012年は5月1日がそれにあたります。『夏も近づく八十八夜…』、この日に摘んだお茶は最上のものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするとも言われているそうです。

 

で、今回は芥川龍之介の俳句を勝手に鑑賞してみます。

 

「あてかいな あて宇治の生まれどす」

【茶畠に入日しづもる在所かな】(ちゃばたけにいりひしづもるざいしょかな)

 

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季節は四月の終わりころ、京都にやってきた芥川を歓迎して、知人が祇園あたりで席を設けてくれました。店の雰囲気にもなれ、酔いもまわってきたころ、芥川がお酌をしてくれる芸妓さんに尋ねます。

ところで、おねえさんはどこの生まれだい?

 

あてかいな。あて、宇治の生まれどす

 

宇治って、あのお茶で有名な?

 

そうどす。うちの在所いうたら田舎ですさかい、茶畠しかあらしまへん。この季節には、みんな総出で茶摘みするんどすけど、『茶摘み』いう唄、知っておいやすやろ。『夏も近づく八十八夜』いうやつ。唄聞いてたらのんびりしてますけど、ほんまは手作業でしんどい仕事どすえ。“あ~、疲れた”言うて、気ぃついたらお日ぃさんが傾いてることもしばしばありました

 

へぇ、お茶摘みか。大変なんだろうけど、風情があっていいねぇ。一句詠んでみようか…、茶畠に入日しづもる在所かな、なんてのはどうかな? ははは…。それにしてもおねえさんの京言葉、なんて素敵なんだろう

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なんちゃって。ちょっと空想が過ぎましたか(苦笑) でも前書きと句をみれば、どうしても上のような場面を想像してしまいます。

 

※ちなみにこの句、季語がなく無季とされています。当ブログのカテゴリーは“勝手に鑑賞”ですから。念のため。

 

【246】

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