六波羅蜜寺のご利益さん。
東山の六波羅蜜寺におまいりしました。
境内のご利益さんをいくつか紹介してみます。
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1、空也上人立像&平清盛坐像などの文化財
六波羅蜜寺といえば、空也上人立像や平清盛坐像(いずれも重要文化財)が有名です。特に空也上人像は昔から教科書に載っているので、口から出ているのはいったい何? と、だれでも不思議に思うものです。
「あれは空也上人があまりに尊いものだから、念仏が口から六体の阿弥陀さんになって出ているのだよ」
と教えてくれたのは確か高校のときの日本史の先生でした。先生はこうもおっしゃいました。
「口から出ている阿弥陀さんが六体なのは六字名号と言って南無阿弥陀仏の六文字をあらわしているのだ。仏教では六という数字に意味がある。六波羅がそうだし、六地蔵もそうだ。これは六道輪廻に関係している。つまり人間は生まれ変わっても、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の間をうろうろするというのだ。それを抜けることを解脱といい、涅槃の境地、すなわち悟りを開くことだ。極楽往生するというのは解脱することなのだ。お釈迦さんが生まれたとき、七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言った話は知っているかな。この話、釈迦の頭のよさをアピールしていると思うだろう。もちろんそれもあるが、ポイントは七という数字だ。七歩歩いたところにあるのだよ。要するにお釈迦さんは生まれてすぐに六道の外に出て解脱した、尊い存在ということを言いたいのだ」
この話はすごく理屈に合っている気がして、へ~、と思ったのは言うまでもありません。さすが先生はよく知っているなぁと、感心したものです。
というわけで、宝物館内は写真撮影禁止のため、入口横の展示ケースを撮らせていただきました。
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2、福寿弁財天
境内に入って正面に弁天さんがあります。京都にはいくつかの七福神めぐりがありますが、この弁天さんは、その中でも、もっともポピュラーな都七福神めぐりのひとつです。
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3、一願石
くるくると三回回してお願い事をします。一字だけ金文字になっているところから回すのですが、色がはげて薄くなっているのでわかりにくいです。「金文字って、どこ? どこ?」と、いささかあわてました。混雑して次の方が待っていても、落ち着いて回しましょう(笑)
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4、なで牛
天満宮のなで牛と同じ要領のようです。痛いところ・辛(つら)いところをなでます。私は、辛いを「からい」と読んでしまい、同行者の失笑を買ってしまいました。
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その他、奥のほうに水掛け不動や、銭洗い弁天などもありますが、写真撮影禁止でした。空也上人像など重要文化財は宝物館にあり有料です。おまいりだけなら、境内は自由に入れます。今年の大河ドラマ「平清盛」は視聴率低迷で不振だそうです。それでも清盛ゆかりの六波羅蜜寺は観光客が増えているように感じました。境内にはいろんなご利益さんがあり、おまいりの甲斐があると思います。
(本堂)
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