君子有不戦、戦必勝矣(孟子)
天時不如地利(てんのときはちのりにしかず)
地利不如人和(ちのりはひとのわにしかず)
孟子の「公孫丑章句下(こうそんちゅうしょうくげ)」にある言葉です。
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(意訳)天のもたらす幸運は、地勢の有利さに及ばない。地勢の有利さは、人心の一致に及ばない。
これは、孟子が戦いについて述べたものです。戦いに勝つには、天の時、地の利、人の和があり、中でも人の和が最も大切であることを言っています。何年か前、NHKの大河ドラマに天地人というのがありましたが、この言葉を引用しているのでしょう。続けてこう言っています。
得道者多助(みちをえるものはたすけおおく)
失道者寡助(みちをうしなうものはたすけすくなし)
(意訳)正しい道を心得ている者は多くの援助が得られるが、正しい道を失っている者は少ない援助しか得られない。
ここで言う「道」とは仁義のことなのだそうです。仁義って何? 深く考えるとややこしくなるので、愛と正義くらいに考えておきましょう。愛と正義にあふれた人は人気があり、支持・応援者が多いということです。最後にはこう言っています。
故君子有不戦、戦必勝矣(ゆえにくんしはたたかわざるをたっとぶも、たたかえばかならずかつ)
(意訳)だから、本来君子は戦わないことを尊ぶが、やむなく戦うときは必ず勝つのである。
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結局、戦わないに越したことはないのです。商売でいえば、まずは日ごろから製品開発にしっかり取り組んで、他社との差別化・優位性を図っておき、戦いを挑む場合、たとえば販売促進(プロモーション)を打つときには、絶対に勝てるように、実施のタイミングを計り、事前の準備・環境を整え、愛と正義をもって組織の和を保っておく必要があるということです。
なるほど。
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