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2012年6月14日 (木曜日)

昔は「夢」のことを「かべ」って言っていた?(夢の話2)

平安時代、「」のことを「かべ」とも言ったのだそうです。どうしてでしょうか。調べてみました。

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こんな歌があります。

うたたねのうつつに物のかなしきは昔のかべを見ればなりけり

意訳:うたたねから覚めて、現実世界に戻ったら悲しい思いがしたよ。昔の夢を見ていたからね。

ここでいう昔の夢というのは、亡くなった人のことでしょうか。別れた人のことでしょうか。それは判然としませんが、うたたねという言葉からも「かべ」は夢であることがわかります。では、どうしてかべというのでしょうか?

室町時代の人になりますが、一条兼良の歌学書「歌林良材集」に『夢をば寝るにみるによりて夢を壁とは云へり。壁もぬるものなるによりて也』とあるのだそうです。なんのことはない

夢=寝る(「ぬる」と発音)=塗る=壁

という連想でした。かべという言い方が現代まで伝わらなかったのは、あまりにつまらないダジャレだったからでしょうか(笑)

※参考:池田亀鑑著「平安朝の生活と文学」(角川文庫)

【292】

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