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2012年6月17日 (日曜日)

夢違呪文(夢の話3)

悪夢を見たときに昔の人は、「夢違へ(ゆめちがえ・ゆめたがえ)」の呪文を唱えて、悪縁を断とうとしたのだそうです。それはどのような呪文なのでしょうか。 調べてみたところ、三種類見つかりました。呪文を意訳するというのもおかしいですが、私なりに解釈して、意訳してみます。

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①【あらちをのかるやのさきにたつ鹿もちがへをすればちがふとぞきく「吉備大臣夢違誦文歌、袋草紙四」

(あらちおのかるやのさきにたつしかもちがえをすればちがうとぞきく)

意訳:猟師の狩りの矢先に立って射られようとしている鹿も、違えをすれば当たらないと聞いている。

※あらちを=荒男?、かるや=狩る矢?、ちがへ=鹿が前足を交差する動作?

②【唐国のそのゝみたけに鳴鹿もちがひをすればゆるされにけり

(からくにのそののみたけになくしかもちがいをすればゆるされにけり)

意訳:唐国の園のお山で鳴いている鹿も違えをすれば許されたのだ。

※唐国=唐の国(中国)?、そののみたけ=園の御嶽?、ちがひ=①と同様に鹿が前足を交差する動作のこと?

③【悪夢着草木吉夢成宝王「上本諸頌、拾芥抄」

(あくむはそうもくにつけ きちむはほうおうとなれ)

意訳:悪夢は草木に付いて(わが身から離れて)くれ、吉夢は宝物となって(わが身にとどまって)くれ。

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バク(貘)が夢を食べて生きている、という話はよく聞きますが、①・②の呪文にあらわれるのは鹿です。鹿が前足を交差すると、猟師が狙いを定めて矢を放ってもなぜか当たらないそうで、悪夢をそれにたとえて、当たらないことを願っているのだと思われます。①の出典「吉備大臣夢違誦文歌」は、宇治拾遺物語巻十三ノ五に「夢買フ人ノ事」という話があって「ひきのまき人」という人物が登場し、これは吉備真備と考えられています。奈良時代の人である吉備真備には、他人の夢を買って右大臣まで昇りつめたという伝説があり、夢違えの呪文(誦文)にも連想されたのでしょう。また、③の「宝王」は「宝玉」とも考えられ、いかにも呪文らしい感じがします。

(それなりに調べて書きましたが、解釈等は我流です。あてになりませんのでご注意ください(笑))

※参考:池田亀鑑著「平安朝の生活と文学」(角川文庫)

【295】

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