「おとなしい」と「ややこしい」
「おとなしい」と「ややこしい」は反対語なのでしょうか? 自問自答してみました。
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問い:『なぜ反対語と言えるのですか?』
答え:普通、おとなしいは「大人しい」と書き、ややこしいは「稚児しい」と書きます。稚児(ややこ)とは、赤ん坊のことですから、大人⇔稚児は対立する概念となり、反対語になります。
問い:『でも両方の意味を考えると、おかしくないですか? 国語辞典で調べてみてはどうでしょう』
答え:それでは手元にある、新明解国語辞典を引いてみましょう。
【おとなしい】→①(子供が)いたずらをしたり騒いだりなどしないで静かにしている。②(性質が)穏やかで逆らわない様子だ。③はででない。
【ややこしい】→(中部から中国・四国までの方言)こみいってい・る(て、めんどうだ)。ややっこしい。
とありました。たしかに、静かにしている「おとなしい」と、こみいっていてめんどうな「ややこしい」が、反対語と考えるのは無理があるようです。
問い:『そもそも「おとなしい」とは、「音無しい」ではないのですか?』
答え:そうですね。むかしは大人を乙名とも書き、大人衆などといって、寄りあいの長老をさす言葉だともいわれます。長老ともなればいつも冷静で落ち着いていて、めったに言葉を発しない。音が無いから音無しというわけです。音無し=静かですから、国語辞典で引いた意味にも合致します。
問い:『なるほど。では、「おとなしい」の反対は「やかましい」ではないでしょうか?』
答え:「やかましい」のほかにも騒がしい・騒々しい・うるさい(五月蠅い)なども考えられます。いろいろ調べてみると「荒々しい」が「おとなしい」の反対語だという意見もありました。
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う~ん、これは難しくなってきました。そもそも、反対語とはどういう定義なのか? そのへんから考えていかなくてはなりません。自問自答とはいえ、ややこしいこと限りなしです。おとなしい私にはとても手に負えません。今回はこのへんで終わりにします。はははは・・・。
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