サボテンを「仙人掌」と書くのはなぜ?
この夏、鉢植えのサボテン(仙人掌)の花が咲きました。
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サボテンの語源についてはいくつかの説がありますが、石鹸を意味する「シャボン」との関連が有力視されています。一部のサボテンに油を落とす石鹸効果があることからの連想です。また、サボテンは漢字で「仙人掌」また「覇王樹」と書きます。なぜ「仙人掌」の字をあてるかについては、次のような言い伝えがあります。
漢の武帝(BC.156~87)の全盛期、銅製の仙人の巨像が建造されました。高さ二十丈、まわりは七かかえ、仙人は大きな皿を乗せた手を空中に差し伸べていました。これを承露盤(しょうろばん)とも仙人掌(せんにんしょう)ともいい、皿の上にたまった露に玉の屑を混ぜて武帝が飲むのです。権力の頂点にあった武帝は神霊現象に興味を持ち、不老長寿の霊験を求めていました。
で、その仙人が手のひらを差し伸べている巨像の姿が、ちょうどうちわサボテンと同じような形だったのですね。そこから「仙人掌」と書いてサボテンを意味するようになります。現代の中国でも、うちわタイプを「仙人掌」と書き、球形のものは「仙人球」と書くらしいです。「覇王樹」と書くことについても、もしかしたら武帝(覇王?)の故事と関係あるのかもしれません。今度、中国の友人に聞いてみようと思います。
さて、うちのサボテンはうちわタイプではありません。朝方はまだつぼみだったのに、お昼頃には大きく開花していました。意外にきれいな花が咲いて、驚きました。
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