蚊にこまる蚊もまたこまる団扇かな
【蚊にこまる蚊もまたこまる団扇かな】(かにこまるかもまたこまるうちわかな)
この句、正岡子規の「俳諧大要」に載ってました。作者は 失名 とあります。
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『ぷっ。何これ~。大笑いやなぁ』
『景といえば、夕涼みしてる夏の縁先か。耳元に蚊がぶーんとまつわりついてきよった。こらかなわん、と団扇でぱたぱたする。蚊にしてみたら突然の大風や。二メートルほども飛ばされてしもた。せっかく血吸うたろかと思てんのに、えらい迷惑やわな』
『子規のコメントもおもしろいな。この句の如きは俗のまた俗なるものにして…か。ぼろくそに書いてるけど、子規にしたかて、一見して思わず笑うてしもたんと違うか。固いこと言わんと、笑い飛ばしてたらええのにぃ』
『せやけどまあ、この句で笑うのも年寄りだけやで。今どきはこういう風情を解さん人が増えてるな。蚊取り線香のええのがいっぱいあるし、そっちの方が蚊も困ってるはずや。蚊に困ることも減ってきてるんやろけど、蚊自体を見かけんようになるのも、ある意味、残念なこっちゃ』
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というわけで、
『うちではアースノーマット使うてます』
【314】
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