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2012年8月21日 (火曜日)

點額魚(白楽天)

以前、大阪天満宮の記事(2011.10.17)で、境内の登龍門を紹介したとき、登龍門とは逆で、試験に失敗することを龍門点額(りゅうもんてんがく)と書きましたが、白楽天のおもしろい詩を見つけました。題して

點額魚(てんがくのぎょ、ひたいをてんずるうお)

です。

鑑賞してみます。

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點額魚】(白楽天)

龍門點額意如何(りゅうもん てんがくのい いかん)

紅尾青鬐却返初(こうびせいき きゃくへんのはじめ)

見説在天行雨苦(いうならく てんにあって あめをおこなうのく)

為龍未必勝為魚(りゅうとなるは いまだかならずしも ぎょとなるにまさらず)

意訳:龍門の急流を上りきれず、額を石に打ちあてて、むざむざと尾鰭を垂れて返る魚の気持ちは、如何(いかが)なものであろうか。聞けば、龍となって天に上れば、雨を降らせる苦しみがあるそうだ。そんな苦しみをするよりは、魚のままで、自由に泳ぎまわっているほうが、かえってましかもしれないよ。

紅尾=魚は疲れると尾が赤くなるという。青鬐=魚の青い背鰭(ひれ)。

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龍門は黄河の上流にあって、魚(鯉?)がここを過ぎて上れば、化して龍となりますが、凡魚であれば、額を石に打ちつけて傷つき、むざむざ引き返すといいます。白楽天の詩は、凡魚が龍になれずに引き返すことを述べたもので、人間、実力もないのに無理に出世し、後々苦しむよりは、むしろ下位にあって悠々としているほうがよいという意味です。

とはいえ、こういう詩が好きになるのは、おじさんの負け惜しみで、もはや老境のせいでしょうか。なんといっても天満宮は学問の神様です。受験生にはがんばってもらわないとね(笑)

3601_2(大阪天満宮、登龍門)

【360】

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