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2012年8月13日 (月曜日)

うたゝ寝のさむれば春の日くれたり(蕪村)

蕪村句集にある

うたゝ寝のさむれば春の日くれたり

で、蕪村の句の作り方に感心しました。鑑賞してみます。

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意訳:

『うたたねしてふと目が醒めたら、春の一日が暮れていた』

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この句のすばらしいところは言葉の使い方にあります。

中七下五の十二文字が【四・四、四】に切れています。声に出して読めば

【うたゝ寝の。さむれば。春の日。暮れたり。

と、四分された破調になっています。

この切れの悪さが、ねぼけた・けだるい・退屈 な様子を表現しており、全体として、日本人の持つ春の夕暮れのイメージに重なっていくのです。

意味だけをとればなんでもない句のようでも、そこまで計算して詠んでいる蕪村はすごいなぁ、と思います。

【352】

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