« 植ゑし時花待ちどほにありし菊移ろふ秋にあはむとや見し(大江千里) | トップページ | 好い月のこともう一度言うて老師と別る(荻原井泉水) »

2012年10月24日 (水曜日)

宵月夜狐は化る支度哉(子規)

ある日の夕方、伏見稲荷大社の前を通りかかったときのことです。

4242_2
ふと見上げると、南の空にきれいな半月が見えました。今回は正岡子規の句を鑑賞します。

ーーーーーーーーーー

宵月夜狐は化る支度哉(よいづきよきつねはばけるしたくかな)

宵月(夜)は、新月~七日ころまでの月夜のことで、夕月(夜)ともいい、夕方に出たかと思うと早い時間に沈んでしまいます。そしてといえばお稲荷さんです。古来よりいろいろなものに化けると言われています。一句は、「きれいな宵月夜だ。そろそろ狐が化ける支度をしていることだろう…」というのです。狐は女性に化けることが多いそうです。考えてみれば、夜遊びに出かける前に念入りに化粧をする若い女性などは、化ける支度をしているのかもしれませんね(笑)

4244

鳥居越しの宵月。スマホのカメラでもアップにしたら、なんとか半月であることがわかります。正岡子規も、お稲荷さんをイメージして詠んだのでしょうか。

4246
青い空と朱色の鳥居、そして白い半月。うす暗くなりつつも色鮮やかな秋の夕暮れでした。実際は大きく見えたお月さまが、写真では点にしか見えないのが残念です。

4248

【424】

« 植ゑし時花待ちどほにありし菊移ろふ秋にあはむとや見し(大江千里) | トップページ | 好い月のこともう一度言うて老師と別る(荻原井泉水) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 宵月夜狐は化る支度哉(子規):

« 植ゑし時花待ちどほにありし菊移ろふ秋にあはむとや見し(大江千里) | トップページ | 好い月のこともう一度言うて老師と別る(荻原井泉水) »