木賊と烏賊(「ゾク」つながり)
木賊と書いてトクサと読みますが、どうしてでしょうか?
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トクサというのは鑑賞用としても知られる多年草です。茎に多くケイ酸を含み、かつては研磨材に使われていました。砥ぐ草だからトクサ(砥草)で、木賊という漢字をあてるのは、漢語でトクサを木賊を書くからです。本来「モクゾク」と読んでしかるべきですが、もともとトクサと呼んでいたためのあて字です。
「賊」つながりで烏賊(イカ)が思い出されます。海に飛び込んでイカを食べようとしたカラスが、逆に巻きつかれて死んでしまうという言い伝えが中国にあり、カラス(烏)にとってイカは賊なので、中国ではイカを烏賊(ウゾク)と呼びます。それに、日本ではイカという読みをあてたのです。
その例でいけば、トクサは木にとっての賊ということになります。木を砥ぐからでしょうか? 木材を加工する際、サンドペーパーのように使っていると、
「うわっ、トクサで砥がれてしまうぞ。(ゾクゾクッと身ぶるいして…)これは大変だ!」
と、木が悲鳴を上げるのでしょうか。そう考えると、たしかにトクサは木の天敵、まさしくゾクです(笑)
(木賊)
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