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2012年11月27日 (火曜日)

秋浦歌(李白)

李白の五言絶句、秋浦歌(しゅうほのうた)其十五を鑑賞します。

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白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう)

緣愁似箇長(うれいによってかくのごとくながし)

不知明鏡裏(しらずめいきょうのうち)

何處得秋霜(いずれのところにかしゅうそうをえたる)

(意訳)

白髪が三千丈に伸びている。愁いによってこのように長く伸びたのだ。澄んだ鏡の中、秋の霜のようなこの白髪は、いったいどこからやってきたのだろうか。

秋浦とは安徽省の地名で、湿地帯とのこと。連作十七首の十五首目です。「秋浦」の秋と「愁いによって」の愁が通じるせいか、普通、秋浦の歌といえば、この詩を言います。この詩の鑑賞は『白髪三千丈、愁いによってかくの如く長し』と、はじめの二句だけでも十分です。三句、四句は言わずもがなの感じさえします。「白髪三千丈」をローマ字で書くと、Hahats Sazejouと韻を踏んだようになっているから、快い響きがあるのでしょう。李白の作品には、初句だけで印象に残る作品が多いです。五言詩だけを挙げてみても、

『長安一片月(ちょうあんいっぺんのつき)』(子夜呉歌)

『牀前看月光(しょうぜんげっこうをみる)』(静夜思)

『花閒一壺酒(かかんいっこのさけ)』(月下独酌)

など、鑑賞する者をドキッとさせる言葉から始まります。さすがに詩仙と呼ばれるだけあって、頭のてっぺんから足の先まで、詩想で満たされていたかのようです。感心します。

【458】

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