« 楓橋夜泊(張継) | トップページ | 知る者は言わず、言う者は知らず。(老子) »

2012年12月 6日 (木曜日)

わが屋戸に黄変つ鶏冠木見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日は無し(万葉集)

京都の紅葉もそろそろ終わりを告げようとしています。万葉集の歌を鑑賞します。

ーーーーーーーーーー

わが屋戸に黄変つ鶏冠木見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日は無し】(万葉集巻八・1623)

(わがやどにもみつかえるでみるごとにいもをかけつつこいぬひはなし)

意訳:私の家の黄色く変色するカエデを見るたびに、あなたを心に懸けて恋しく思わぬ日はありません。

この歌は、大伴田村大嬢が異母妹の坂上大嬢に与えた歌二首の内のひとつです。男女の恋の歌ではなく、姉妹の贈答歌です。自然現象をうまく取り入れた、素朴でわかりやすい表現がいいですね。妹を気にかける姉の、やさしい愛情に満ちています。また、万葉仮名で「黄変」を「もみつ」と読ませていることから、本来モミジとは黄色く変色することであったことがわかります。紅葉ではなく黄葉だったわけです。

4671(紅葉と黄葉)

カエデ(楓)は「蝦手(蛙手)」の略で、カエルの手と形が似ていることから名前がついたのだそうです。また鶏冠木とも書くのは、ニワトリのトサカにも似ているからです。

蝦手(カエルテ)・鶏冠木(カエデ)=(カエデ)

京都市の隣、向日市に「鶏冠井」と書いて「かいで」と読む地名がありますが、こちらは「かえでい」が「かいで」に変化したともいわれています。

4672

【467】

« 楓橋夜泊(張継) | トップページ | 知る者は言わず、言う者は知らず。(老子) »

季節の話題」カテゴリの記事

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

検索から来ました、なるほど!そういうことだったんですね!役に立ちました、ありがとうございます!

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 楓橋夜泊(張継) | トップページ | 知る者は言わず、言う者は知らず。(老子) »