« くんしはのうなきことをうれう(論語) | トップページ | ともかくもあなた任せのとしの暮(一茶) »

2012年12月28日 (金曜日)

我が寝たを首上げて見る寒さ哉(小西来山)

小西来山の句

我が寝たを首上げて見る寒さ哉】(わがねたをくびあげてみるさむさかな)

を勝手に鑑賞します。

ーーーーーーーーーー

よく知られた句ですが、いろいろな解釈があることがわかりました。

①深夜、あまりの寒さにふと目が覚め、首を上げて自分の寝姿を眺めた。→「寒さ哉」は、文字通り気温が低くて寒いことを言っており、客観表現の中に、寒い夜の情趣が込められている。

②寒夜、寝床に入ってさあ寝ようというときに首を上げ、布団にくるまっている自分の寝姿を見て、みすぼらしく感じた。→「寒さ哉」には主観が込められており、気温が低いことだけでなく、貧相な自分の体形や境遇を表現した。

ーーーーー

要するに、

今まで寝ていたのを、寒さのためにふと目が覚めて首を上げたのか?

それとも、

寝入る前に、首を上げて自分の寝姿を見て、寒く感じたのか?

です。

さて、どちらなんでしょう。

さらに何人かに聞いているうちに、中には「深夜目が覚めて、寒いなぁと思ったら、それもそのはず、布団を蹴飛ばして寝ていた(笑)」という解釈もありました。「寒さ哉」には単純に寒いことと同時に、ユーモラスな意味を込めている、というのです。

実際に布団に入って試してみるとわかりますが、上向きに寝て首だけを上げるのは、結構腹筋に力が必要です。なので自然な行為とは考えにくいです。就寝中ふとしたときに首を上げて自分の寝姿を見ることはあるにせよ、それに「寒さ哉」とつけたのは、どうも作為のにおいがします。もちろん、この句は「寒さ哉」が命ですから、その意味では来山のお手柄と言えますけどね。

【489】

« くんしはのうなきことをうれう(論語) | トップページ | ともかくもあなた任せのとしの暮(一茶) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 我が寝たを首上げて見る寒さ哉(小西来山):

« くんしはのうなきことをうれう(論語) | トップページ | ともかくもあなた任せのとしの暮(一茶) »