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2012年12月 1日 (土曜日)

初冬や日和になりし京はずれ(蕪村)

蕪村の句、

初冬や日和になりし京はずれ】(はつふゆやひよりになりしきょうはずれ)

を鑑賞します。

(意訳)京の郊外へ出たら、いい天気になった。さっきまで時雨れていたのに。

4631(嵯峨野にて)

この句は、兼題「初冬」で詠まれたものです。子規庵での蕪村句集講義(平凡社、東洋文庫)によると、「初冬」をどのような空模様と解釈するかで議論がなされています。どんよりと曇っているとする虚子に対して、子規は、空は澄み渡ってるけれども気は冷ややかで小春に近い感じ、ととらえていたようです。

初冬(はつふゆ)という季語は、音読みの初冬(しょとう)とは違うイメージです。「はつ」には驚きの気持ちが込められています。『今日は今年初めての冬らしい天気だな』 という感じです。時雨模様のある日、蕪村が『今日の天気はもうひとつやなぁ』とつぶやきながら、京のはずれまでやってきたとき、急に日が差してきた。『わぁ、よかったぁ。ええ天気になった。今日は晴れて欲しかったんやー』という喜びが、この句には込められています。

裏日本のように一日中どんよりと曇が垂れこめているわけでもなく、表日本のように晴れの日が続くわけでもない。さっきまで時雨れていたのに、気づけば日差しが戻っている…。かと思うと、また黒い雲が近づいてくる…。ころころ変わる空模様が、初冬の京都には多いのです。

4632(落柿舎)
【462】

 

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