初雪の底を叩けば竹の月(蕪村)
今朝、京都市内のわが家のあたりに初雪が降り、少し積りました。
今回は蕪村の
【初雪の底を叩けば竹の月】(はつゆきのそこをたたけばたけのつき)
を鑑賞します。
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この句、ちょっと解釈に悩んでしまいます。当ブログは勝手に鑑賞がテーマです。創造力をたくましくしてみます。それは、寒波に襲われた師走のある日のことでした。
『あーさぶぅ。今夜はよぅ冷えるなぁ。あれ? 雪か? どうりでさぶいはずや、雪が降ってきよった。初雪やな。なかなか風情があってええがな。なんやったら、ワシが空の底を叩いてトコトンまで降らしてやるで。降れ降れ降れ降れもっと降れ~。…あー、残念やぁ、止んできよった。だいたい初雪っちゅうのは、長続きせえへんねん。雪雲がどんどん晴れていきよる…。おっと、今度はええお月さんが出てきよったで。竹やぶの上にきれいな三日月。それこそ竹の月や。この風景も、またええがな。捨てがたい。これは一句詠んどかなあかんな。・・・(ブルブルッ)、それにしてもさぶいなぁ』
『できた! 初雪の底を叩けば竹の月・・・と。メモしとこ』
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というわけで、普通この句は、解説書に次のように意訳されています。
意訳:初雪がひとしきり降り尽くした後、空には澄んだ月が輝いて、竹林を照らしている。
字面を追えば、たしかにそういう解釈になるのでしょうが、どこか物足らないです。一応蕪村は京都の人(生まれは大阪みたいですけど)なので、たぶん上のような言葉づかい&思考を経て詠んだのではないでしょうか(笑)
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