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2012年12月 9日 (日曜日)

有不虞之誉、有求全之毀。(孟子)

孟子離婁章句(りろうしょうく)

孟子曰、有不虞之誉、有求全之毀。

(もうしいわく、はからざるのほまれあり、まったきをもとむるのそしりあり)

という言葉があります。

意訳:孟子が言われた。「思いもよらぬことでほめられることがある。(かと思うと)万全を期したつもりなのに非難を受けることがある」

ーーーーー

たしかにこういうことってありますね。

多少手を抜いたにもかかわらず、「よくやったなぁ」と絶賛されたり、自分では完璧だと思っているのに、「全然できてないぞ」と言われたりするのは、よくある話です。このことから、予想もしない名誉を得ることを「不虞之誉(ふぐのほまれ)」といい、万全を期したにもかかわらず非難されることを「求全之毀(きゅうぜんのそしり)」といいます。また、同じ完成度の仕事であっても、上司によってほめてくれる方もあれば、けなす方もある。これがいわゆる「毀誉褒貶(きよほうへん)」です。

ゆえに、孟子のこの章は、通常「世間の人の評価というのは、あてにならないものだ」というふうに解釈されています。

では、どうすればいいのでしょうか。孟子には、別の章(公孫丑章句上)にこうあります。

自反而縮、雖千万人吾往矣。

(みずからかえりみてなおくんば、せんまんにんといえどもわれゆかん)

意訳:自分でよく考えて正しいと思うならば、たとえ千人、万人が相手であろうとも、私は行く。

人の忠告や指摘、評価を全然意識しないのは、危険極まりない気もしますが、何事も自信を持って行動するというのは重要なことですね。

【470】

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