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2012年12月18日 (火曜日)

人誹る会が立つなり冬籠(一茶)

一茶の句

人誹る会が立つなり冬籠】(ひとそしるかいがたつなりふゆごもり)

を鑑賞します。

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(意訳)外は大雪。何をすることもできず、人々は炉端や炬燵のまわりに集まる。他人の噂話をするほかはなく、その場にいない者の悪口を言い合う会ができる…人とはそういう生き物なのだ。

解説本には、「陰鬱な生活の雪国にありがちな情景を皮肉な目でとらえている」などとありますが、雪国でなくても十分理解できます。一茶には「そしる(謗る・誹る)」という言葉を使った句が多いそうです。一茶だけでなく、人のことをやりだまにあげるのは万人に共通した性癖で、だからこそ一茶が人々に好まれるのです。一時期「癒し系」が流行語になりましたが、それをもじった「いやらし系」という言葉があると聞き、笑ってしまいました。まさにこの句などはいやらし系そのものです。にもかかわらず、あっけらかんとして嫌味がないのが一茶のいいところです。

面と向かって人を誹ることの難しい現代のサラリーマンにとっては、こういう句を目にすると、それなりに溜飲が下がるというか、ストレス発散にもなります。

【479】

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