大帝について。
ある人に、
「キリスト教を認めた、ローマ帝国のコンスタンチヌス一世は‘大帝’と呼ばれていますが、それはなぜでしょう? また、‘大帝’について教えてください」
と質問されました。簡単に調べましたので、ここに記しておきます。
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●「大帝」と呼ばれるローマ皇帝はコンスタンチヌスを含めて三人います。他の二人「テオドシウス一世」「ユスティニアヌス一世」です。
●「大帝」という称号はどうやら英語の『The Great』を日本語に訳したもののようです。『偉大な』という意味ですね。「大帝」のほかに「大王」「大教皇」などの称号があります。コンスタンチヌス一世(272~337)は、ローマ帝国を再統一するとともに、キリスト教を公認して自らも洗礼を受けるなどしたために、後世の人に『偉大な』との形容詞をつけて呼ばれるようになったと思われます。
●調べているうちにわかったのですが『The Great』と呼ばれるのは、キリスト教信者から崇拝を受けているためです。上の3人の皇帝はいずれもキリスト教を保護しています。逆に暴君として有名な「ネロ」はキリスト教を迫害しました。「大帝」の称号は多分にキリスト教史観に基づくものです。
●日本では明治天皇が「明治大帝」と呼ばれることがあります。もちろんこれはキリスト教とは関係なく、単純に「大」をつけて偉大さを表わしているのでしょう。そのほかにもフランク王国の「カール大帝」やロシアの「ピョートル大帝」なども「大帝」と呼ばれています。
●最後に手塚治虫の「ジャングル大帝レオ」ですが、日本で最初のカラーで放送されたアニメとして有名です。私も見ておりました。当時家にカラーテレビがあったかどうか忘れましたので、白黒で見ていたのかもしれません。いずれにしても、日本にカラーテレビが普及したのは「ジャングル大帝」の影響が大きかったと思われます。実際、名前のとおり『偉大な』番組だったのでしょう。
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というわけで、参考にしてください…(ふぅ)
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