水仙や寒き都のこゝかしこ(蕪村)
(京都御苑)
烏丸丸太町からほど近く、京都御苑内の宗像(むなかた)神社におまいりしてきました。
(宗像神社)
訪ねたのは冬の寒い平日でした。訪れる人はほとんどありません。宗像神社といえば女神さんで、航海の安全を祈願する神様です。
(観光神社)
境内に入るとすぐ、観光神社がありました。天孫ニニギノミコトが天降りしたときに道案内したという猿田彦大神を守護神にして、京都の観光業者が創建したのだそうです。航海の安全から旅行全般の安全へと連想が進んだのですね。観光都市京都ならではのユニークな発想と思った次第です。
ーーーーー
(右奥が本社)
ところで、今回の目的は境内に咲く水仙を見に来ることでした。蕪村の句
【水仙や寒き都のこゝかしこ】(すいせんやさむきみやこのここかしこ)
を鑑賞するためです。正岡子規らによる「蕪村句集講義」にはこの句を評して『分らぬ句なり。』とあります。
『寒き都といふも分らず。こゝかしこといふも分らず。淋しく荒れたる都の垣も崩れがちなるがまゝに、処々に水仙の咲きたるも見ゆるならんとの解釈もありたれど、それにては余り漠然に過ぎて蕪村らしからず。誤写にはあらざるか。』
とあります。これを読んで、「そこまで言うのなら、このおじさんがわかってあげよう!」 と思い立ったわけです。“水仙が見たいなら宗像神社へ行きなさい” と、ある人が教えてくれました。

実際来てみたら水仙はほとんど咲いていませんでした(2月8日時点) 見ごろは2月末くらいとのことで、ちょっと早かったようです。このくらいの開花状況では、私にも句の意味がよくわかりません。
考えてみれば、いま京都市内で水仙が見られるところは数えるほどしかありません。蕪村は「ここかしこ」と言っていますから、当時は京都でもあちらこちらで水仙が咲いていたものと思われます。現在、蕪村と同じ感動を得るにはいささかサンプル不足です。おじさんの目論見は見事にはずれました。というか、そもそも子規たちにわからない句が、このおじさんにわかるハズがないのです(トホホ)
【532】
« 「いざ!」…都鳥つながり。 | トップページ | 目の健康講座とコンサート 及川浩治トリオ“Bee” »
「 ご利益さん」カテゴリの記事
- 大仏の柱くゞるや春の風(二柳)(2014.05.07)
- 五条の天神(京童より)(2014.04.12)
- 水もなく舟も通はぬこの島にいかでか海人のなまめかるらむ(輔相)(2014.03.23)
- 北野天満宮「梅苑」散策。(2014.03.12)
- 北野どの御すきものや梅の花(竹馬狂吟集より)(2014.02.25)
「 勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事
- 夏風邪はなかなか老に重かりき(虚子)(2014.05.21)
- 後夜聞仏法僧鳥(空海)(2014.05.20)
- 夏といへばまづ心にやかけつはた(毛吹草)(2014.05.19)
- 絵師も此匂ひはいかでかきつばた(良徳)(2014.05.18)
- 神山やおほたの沢の杜若ふかきたのみは色にみゆらむ(藤原俊成)(2014.05.17)

コメント