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2013年2月 5日 (火曜日)

寝ごゝろやいづちともなく春は来ぬ(蕪村)

立春を迎えました。蕪村

寝ごゝろやいづちともなく春は来ぬ】(ねごころやいずちともなくはるはきぬ)

を、ある人とともに鑑賞したのですが、以下そのときの会話です。

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「この句、あまり知られてないけど、のどかな立春風景を彷彿とさせるな。“気持ちよく寝ている間のことのように、どこからともなく春がやってきた” というのだから」

『なるほど、寝ている間に春がやってきたということですか…そうか! いづちは地名なんですね。織田信長がお城を作ったところ?』

「何を言うか。それはあづち(安土)だ」

『ごめんなさい、間違えました。木でできたカナヅチみたいな物のことでした』

「それはきづち(木槌)」

『え? それじゃぁ、日本書紀なんかに出て来る、想像上の大きな蛇のこと?』

「それはみずち(蛟・螭・虬など)。蕪村が言ってるのはい・づ・ち。“いづちともなく”で、どこからともなくどちらともなく、の意味だ。漢字で書けば何方いずかたと言ったりもする」

『そうでしたか、それは失礼しました。私は、ついついひとつのことを追求して思いつめるタイプでして、どうかお許しください…』

「ば~か。それはいちず(一途)だろ! もう、いいかげんにしろ!」

ーーーーー

というわけで、不毛の鑑賞会でした(笑)

【528】

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