カニは美人に笑わるる。
先日、親戚一同そろってカニツアーに行った際、カニのかぶり物を用意しました。久しぶりに皆が集まるので、その日一日を盛り上げようという趣向です。
↑通販で注文したらすぐに送ってきました。服部嵐雪の句を鑑賞します。
【桃の日や蟹は美人に笑るゝ】(もものひやかにはびじんにわらわるる)
これは潮干狩りにでも行ったときの句でしょうか。桃の日といえば3月3日。まだちょっと寒いように思いますが、もちろん旧暦です。今の4月上旬にあたります。カニが泡を吹いて、箸がこけても笑う年頃のべっぴんさんに笑われているのか、気のおけない者同士が、キャッキャッと言いながら興じている様子です。「美人に笑るゝ」というのがいいですねぇ。美人とカニとの取り合わせ。現代のレジャーにも通じるユーモアがあります。
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ところが、このおじさん。ツアー当日にカニの姿で集合場所に現れたところ、親戚一同から、「何を考えてるの!」と、予想外の大ひんしゅくを受けてしまいました。子供くらいは喜んでくれるかと思いきや、「いやや、恥ずかしい!」と逃げ出す始末です。仕方ないので、昔美人のうちのお年寄りにかぶってもらって記念撮影です。笑われたのはカニではなく、私でした。
…トホホ、ウケると思ったんだけどなぁ。
【552】
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