しをるゝは何か杏子の花の色(貞徳)
松永貞徳の句、
【しをるゝは何か杏子の花の色】(しおるるはなにかあんずのはなのいろ)
を鑑賞します。
(意訳)いや、どうしたん? えらいしおれはって。元気がないやないの。そこに咲いてる杏子の花やないけど、何か案ずることでもあるのん? 気になるわ~。
↑ というわけで、うちのお年寄りに、アンズの花を前に「何か杏子」を演じてもらいました。 アンズって、桜と同じような花が咲くのですね。今回初めて知った次第です。
↑ こうして指差すと杜牧の詩「清明」の一節、『牧童遙指杏花村(牧童遥かに指差す杏花村)』になります。もっとも指差しているのは「牧童」ではなく「おばあちゃん」で、「はるかに」ではなく「すぐそこ」ですけど。
↑ 私も「杏子」でアイデアがひらめきました。「杏子 & 案ず」 です。え? なんのこと? と言わないでください。「杏子と案ず」、つまりこれは 「あんず あんず あんず」と読むのです。ハハハハハ…。
(京都府立植物園にて)
【581】
« 山路来て何やらゆかしすみれ草(芭蕉) | トップページ | 色も香もうしろ姿や弥生尽(蕪村) »
「 勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事
- 夏風邪はなかなか老に重かりき(虚子)(2014.05.21)
- 後夜聞仏法僧鳥(空海)(2014.05.20)
- 夏といへばまづ心にやかけつはた(毛吹草)(2014.05.19)
- 絵師も此匂ひはいかでかきつばた(良徳)(2014.05.18)
- 神山やおほたの沢の杜若ふかきたのみは色にみゆらむ(藤原俊成)(2014.05.17)
「へたな話」カテゴリの記事
- 散残るつゝじの蕊や二三本(子珊)(2014.05.08)
- 春はただわが宿にのみ梅咲かばかれにし人も見にと来なまし(和泉式部)(2014.02.28)
- 笹の葉におく霜よりもひとり寝る我が衣手ぞさえまさりける(紀友則)(2014.02.09)
- 年よればなほ物陰や冬ざしき(智月)(2014.02.01)
- 蟹(藤井竹外)(2014.01.29)
コメント