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2013年3月21日 (木曜日)

笠きるや○○○咲く日を吉日と(一茶)

笠きるや○○○咲く日を吉日と

これは一茶の句です。「○○○」に入る言葉(ひらがなで3文字)は何でしょうか?

なんちゃって。当ブログはクイズではありませんね。

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というのは、荻原井泉水編の「一茶俳句集」(岩波文庫)に

【笠きるや梅の咲く日を吉日と】

【笠きるや咲く日を吉日と】

の二句が載っていたのです。不思議に思って調べてみると、七番日記には「桜咲く」とあり、夏目成美評句稿には「梅の咲く」とあるとのこと。「笠着る」とは旅立ちのことですから、意訳すれば 『梅の咲く日(桜咲く日)を吉日として、笠を着て旅に出ることにするか』 でしょうか。言わんとすることはわかります。とはいえ、梅と桜が違うだけで、全く同想です。もっと言えば、2文字または3文字の花ならば、菊でも萩でもすみれでもナズナでもコブシでも、なんでもオーケーです。

さらに不思議なのは、「吉日」の読み方です。同書には

【笠きるや梅の咲く日を吉日と】→かさきるや うめのさくひを きちにち

【笠きるや桜咲く日を吉日と】→かさきるや さくらさくひを きちじつ

とあります。この使い分け、梅の咲く日は「きちにち」で、桜の咲く日は「きちじつ」でなければならない理由があるのでしょうか。それとも語感のよさの違いでしょうか。いい加減といえばいい加減、こだわりといえばこだわりです。

5721_3

近所の公園で見つけた梅。中央の一輪は、花びらの半分が紅梅で半分が白梅です。不思議ですねぇ。まるで 『俳句なんてのはこんなものだよ』 と一茶が教えてくれてるようでした(笑)

【572】

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