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2013年4月11日 (木曜日)

春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり(西行)

JR嵯峨野線花園駅からほど近い、法金剛院を訪ねました。

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法金剛院は京都でも数少ない律宗のお寺だそうです。平安時代の初めに右大臣清原夏野が山荘を営んだのが起こりで、その後荒れていたのを、大治5年(1130年)に鳥羽上皇の中宮待賢門院によって再興されました。かつては、現在の新丸太町通りをはさんで、大伽藍を誇っていたそうです。当時の面影はありませんが、「関西花の寺」の十三番に選ばれており、桜の季節には多くの観光客でにぎわいます。

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西行の歌を鑑賞します。

春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり】(山家集)

意訳:春風が花を散らしている夢は、目覚めた後まで胸のときめきがやむことなく続いている。

この歌は、法金剛院の待賢門院を慕う西行が、夢の中で逢瀬を遂げたことを詠んだものとされています。「花を散らす」が意味深で、待賢門院は、西行が出家する原因となった失恋の相手だというのです。春風~落花~夢だった~胸騒ぎ、と、流れるような口調で表現されています。

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訪問したのが夕方だったこともあり、境内は閑散としておりました。桜もほぼ散っておりました。風に散る桜を見上げて呟いてみました。

はるかぜの はなをちらすと みるゆめは さめてもむねの さわぐなりけり

春風」、「」の「ハ音」と、「覚めても」 「騒ぐ」の「サ音」を強調し、真ん中の「散らすと見る夢は」を、ちょっと早口に読むのが好きです。そわそわした恋心が伝わってきます。実にいい歌です。

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