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2013年4月24日 (水曜日)

春の雨居るかといへば居るといふ(厳谷小波)

明治~昭和の初めにかけて、童話・童謡の作家として知られる巌谷小波の句を鑑賞します。

春の雨居るかといへば居るといふ】(はるのあめいるかといえばいるという)

(意訳)日々、これといって用事のないご隠居さん。春雨そぼふる日は、唯一の楽しみの庭いじりもできない。仕方なしに、近くの友達のところへ時間つぶしに出かけていった。玄関先で 『居るか』 と声をかけてみれば、すぐさま 『居るよ』 との返事。まるで来るのを待ってたかのよう。やっぱり、あいつも暇をもてあましていたか…。

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と、こんな感じでしょうか。なんでもない言い方で、手に取るように情景がわかるのがおもしろいですね。高杉晋作の辞世 “おもしろきこともなき世をおもしろく” みたいな印象です。なんのこっちゃ、と思いつつもイヤミを感じません。

厳谷小波(いわやさざなみ、1870ー1933)は、俳人としてはなじみが薄いですが、児童文学の先駆けともいえる作家なのだそうです。「こがね丸」という作品が有名です。

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今日は、結構まとまった雨が降りました。でも、私に 「居るか」 と問われても、居ませんでした。残念ながらこのおじさんは、まだご隠居さんの身分ではありません(笑)

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