初めての蹴鞠(けまり)見学…白峯神宮にて。
堀川今出川にある白峯神宮へ、蹴鞠(けまり)を見に行きました。
白峯神宮には、ご祭神の崇徳天皇・淳仁天皇のほか「精大明神」がまつられています。「精大明神」というのは、白峯神宮の場所に元あった、蹴鞠・和歌の宗家飛鳥井家の守護神なのだそうです。毎年4月14日は、白峯神宮の「春季例大祭 淳仁天皇祭」です。あわせて蹴鞠の奉納が行われるということで、筆者にとっては初めての蹴鞠見学でした。
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われわれが着いたとき、ちょうど始まるところでした。鳥居をくぐると、すでに大勢の人垣ができて、なにやら儀式が行われています。
しばらく見ていると、古式ゆかしい装束の男女8人が輪になって、蹴鞠が始まりました。逐次説明をしていただけるのがありがたいです。
『ボールは鹿の皮でできている』 『蹴るにあたっては序列がある』 『必ず右足で蹴らなければならない』 『掛け声は、「鞠の精」の名前でもある「アリ」「ヤア」「オウ」の三種類。「鞠の精」の力を借りて蹴る』 『鞠は100gくらいの重さ。当たっても痛くない』
など、わかりやすい解説でした。
演じておられるのは「蹴鞠保存会」のみなさんです。白峯神宮のHPによると、毎月2回練習しておられるとのこと。なかなか見事な足さばきです。スポーツ観戦同様、ラリーが続いたりファインプレイが出たりすると、観客から「おぉ~」と声が出ます。
10~15分くらいでしょうか。前半が終了してハーフタイム(?)に入ります。そして、一部メンバーチェンジがあって後半が始まりました。
ふと見ると「鞠庭 けまりをする所」と書かれた看板があります。「まりにわ」と読むのだそうです。「ボール」でも「たま」でもなく 「まり」と呼び、「コート」でも「グラウンド」でもなく 「まりにわ」と呼ぶ。いいですねぇ。いかにも伝統を感じる名称です。
社務所横には、さまざまなボールが奉納されていました。蹴鞠だけに、サッカーの神様かな?と思ったら、さにあらず。サッカーだけでなく球技全般にご利益があるとのことです。
境内には蹴鞠の碑があります。「撫で鞠(なでまり)」といって、球技を志す人は、ぐるっとまわすと球運をさずかるそうです。
最後に、希望者には蹴鞠体験をさせてもらえます。当方、足技には自信がなく遠慮しましたが、みなさんどうも力が入り過ぎ、端で見ているよりもずっと難しそうです。お願いしてボールに触らせてもらったところ、とてもやわらかく軽いものでした。初心者が蹴り過ぎてしまうのもわかります。
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蹴鞠の奥深さを感じる、大変興味深い奉納神事を見学させていただきました。白峯神宮、そして蹴鞠保存会のみなさん、ありがとうございました。どうぞご利益がありますように。
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