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2013年4月 6日 (土曜日)

鶯の日枝をうしろに高音かな(蕪村)

蕪村の句、

鶯の日枝をうしろに高音哉】(うぐいすのひえをうしろにたかねかな)

を鑑賞します。

(意訳)比叡山を後ろに、ウグイスが高らかな音で鳴いている。

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この句、俳人仲間の正名(まさな)あての書簡に 「鶯や比叡をうしろに高音哉」 の形で出ており、『うぐいすの高音、あたらしき心地に候』 とコメントがあります。

ウグイスといえば「ホーホケキョ」。春告鳥、谷渡、流鶯、初音など、いろいろな言い方をされます。「高音」という言葉を付けたのは、新しい試みだということでしょうか。蕪村自身が、実際に比叡山をバックにウグイスの鳴き声を聴いたかどうかわかりませんが、実にしっくりした、万人受けのする表現だと思います。其角の 「鶯の身をさかさまに初音かな」 を意識したのかもしれません。比叡山は高い、ウグイスの鳴き声も高い、と、高いつながりで掛けたのかもしれません。また、比叡を「日枝」と書くのは、京都市内から見て日が昇る方向にあり、山頂付近が二つに枝分かれしているように見えるから、という説があるそうです。
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ちなみに、頂上の高さに驚いて 「ヒエー」 と叫び声をあげるから、という説はありません。念のため。

【588】

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