« うつつなきつまみごころの胡蝶哉(蕪村) | トップページ | 歩き歩き物おもふ春のゆくへかな(蕪村) »

2013年5月 8日 (水曜日)

すそ野暑く頭寒足熱富士の雪(貞徳)

京都の俳人松永貞徳の作とされる、

すそ野暑く頭寒足熱富士の雪】(すそのあつくずかんそくねつふじのゆき)

を鑑賞します。

(意訳)頭寒足熱は健康にいいというけれど、富士山はまさに健康そのものだなぁ。裾野(足もと)はこんなに暑いのに、天辺(山頂)には雪を抱いているよ。

ーーーーー

五七五のはじめの言葉、「すそ野」、「頭寒」、「富士」および末尾の「」を「ウ音」で統一しているところがミソです。標語のように語呂をよくしたうえで、四字熟語の「頭寒足熱」に富士の姿をうつした穿ちを持ってきて、笑いを誘っています。貞門俳諧のお手本のような句ではないでしょうか。詩としての感動はないですが、実に巧みな表現だと思います。

6201

【620】

« うつつなきつまみごころの胡蝶哉(蕪村) | トップページ | 歩き歩き物おもふ春のゆくへかな(蕪村) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: すそ野暑く頭寒足熱富士の雪(貞徳):

« うつつなきつまみごころの胡蝶哉(蕪村) | トップページ | 歩き歩き物おもふ春のゆくへかな(蕪村) »