老ぬれば人八人に成にけり…。
江戸時代の俳人安原貞室があらわした“かたこと”という本に、次の狂歌が載っていました。
【老ぬれば人八人に成にけり としはよったりしはゝよったり】
(おいぬればひとはちにんになりにけり としはよったりしわはよったり)
※安原貞室(1610-1673)=江戸時代前期の貞門の俳人。京都の人。
※かたこと=貞室が我が子に上品な言葉づかいをさせるために、当時の京言葉の乱れをただした書物。片言。
以下、ある会社の課長と部下との会話です。
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課長: 『老人になると人は8人になるらしいな』
部下: 「え? どういうことですか?」
課長: 『年は寄ったり、皺は寄ったり。4人(よったり)と4人で8人』
部下: 「うまいこと言いますねぇ」
課長: 『それでいくと、君も8人かな』
部下: 「アホなこと言わんといてください。私はまだ四十前です。年寄り扱いしないでください」
課長: 『君の場合は仕事もしないで、酒に酔ったり、女選ったり…、それで8人』
部下: 「え~! 私はそんな道楽者じゃないです。一生懸命働いてるのに、課長はそんな目で見てたんですか。ひどいなぁ」
課長: 『ははは、冗談だよ。よったりとよったりで8人。だからはったりだ。そんなに怒らなくてもいいだろ。(肩に手を置き)信頼してるよ!』
部下: 「・・・(苦笑)」
【628】
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