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2013年6月22日 (土曜日)

おもふさま立つあとたたく額の蚊(若えびす)

 元禄十五年刊「若えびす」にある句です。

おもふさま立つあとたたく額の蚊】(おもうさまたつあとたたくひたいのか)

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意訳:(というか、勝手に解釈)

 夏の日の夕方、立ち話をしていた相手の額に蚊が止まっているのを見つけました。

「ちょっと待って! おでこに蚊ぁが止まってるわ。そのまま、じっとしててや。そのままやで…」

 そっと手を上げタイミングを計り、まさに叩こうとしたその瞬間、蚊は音もなく飛び立ちました。

 “バッシーン!

アイタター、死んだか

「いや、逃げた」

何それー

「一瞬の差やった」

めっちゃ痛かったっちゅうねん!

「ごめんごめん、思いっきり叩いてしもたな」

そこまで力入れて叩かんでもええやろ

「悪い悪い、大きな蚊ぁが止まってたんや」

ホンマかいな、実はオレに恨みがあるんと違うか

「何言うてんねん、人が親切心で蚊ぁ殺したろと思たのに、なんやその言い草は!」

ほんなら、同じように叩いたろかー

ーーーーー

 …なんて、このまま喧嘩になりそうな一句です(笑)

 さて、6月も下旬となり、そろそろ蚊の季節を迎えました。我が家では玄関先にたむろしていることが多く、帰宅時に油断するとたちまち刺されます。先日、さっそく一匹退治しました。

6651

 ちなみに、京都では「蚊」は、「か」ではなく「蚊ぁ」と微妙に伸ばして発音します。無益な殺生はできるだけ避けたいのですが、蚊とゴキブリだけはどうも許せません。

【665】

 

 

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