涼しさに四ツ橋を四つ渡りけり(小西来山?)
先日、大阪四ツ橋に行く機会がありました。小西来山の作と伝えられる句を鑑賞します。
【涼しさに四ツ橋を四つ渡りけり】(すずしさによつばしをよつわたりけり)
(意訳)蒸し暑い夏の宵、納涼に四ツ橋まで出かけてみた。橋の上があまりに涼しいので、そのまま四つの橋を全部渡ってしまった。気持ちよかった~。
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大阪には所用のためときどき出かけます。四つ橋線にはよく乗りますが、四ツ橋駅で降りるのは初めてでした。四ツ橋とは、長堀川と西横堀川にかけられた「吉野屋橋」「上繋(かみつなぎ)橋」「下繋(しもつなぎ)橋」「炭屋橋」のことで、残念ながら現在は四つとも埋め立てられて存在しません。
↑句碑をみつけました。来山として有名なこの句は、実は盤水という人の作品ではないかとも言われています。だれの句であれこの句がよく知られるようになった理由は、そのわかりやすさ軽妙さとともに、四ツ橋のあたりが身近な散歩コースだったからです。
↑地名を表すときは「四ツ橋」、通りや路線を表すときは「四つ橋」です。ややこしいですね。
↑中央分離帯の照明を中心に、ミニチュアの橋を仕立ててありました。説明看板によると、橋長は10分の1、幅員は6分の1とのこと。せっかくなので四つの橋を渡って涼んでみることにします。
ところが、訪ねたのは好天の昼下がりで気温も急上昇です。そう簡単に納涼気分を味わえるハズもなく、逆に 「あのおっさん、あんなとこでぐるぐる回って何してんねん?」 と、通行人の怪訝そうな視線を浴びただけでした。
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