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2013年6月15日 (土曜日)

せい出してそよげ若竹今のうち(一茶)

 小林一茶の句です。

せい出してそよげ若竹今のうち】(せいだしてそよげわかたけいまのうち)

意訳:若竹よ、せいぜいそよいでおくれ。すくすく伸びるのも今のうちだけだから。

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 意訳は表の意味で、実際は若竹に名を借りて若者への期待と希望を述べています。というか、年取った自分に対して苛立ちと後悔の念を愚痴っていると言ったほうがいいでしょう。

『何事も、やりたいことは若いうちにやっておくことだ。おじさんみたいに年をとってしまってはもう遅い。やろうと思ったところで、体力的にも精神的にも出来はしない。ましてまわりの環境がそれを許さない。若いうちが花ってことだ』

 作者の寓意はこんな感じです。このほかにも、一茶には若者を若竹にたとえて詠んだ句がいくつかあります。

そよげそよげそよげわか竹今のうち】(そよげそよげそよげわかたけいまのうち)

わか竹や是も若は二三日】(わかたけやこれもわかさはにさんにち)

 以上二句は、表題の句と同想です。

若竹の世をはゞからぬわか葉哉】(わかたけのよをはばからぬわかばかな)

 というのは、ちょっとやんちゃな若者の姿を詠んでいます。

わか竹に一癖なきもなかりけり】(わかたけにひとくせなきもなかりけり)

 になると、逆に若者の無鉄砲さを句にしたというか、若者への憤りを述べているようにも思えます。いずれの句もわかりやすく、そのときどきに思ったままを句にしているようです。佳句とは言えないまでも、いかにも一茶らしい作品です。

 というわけで、若者よ、君たちの将来を思う一茶の気持ちが “わかったけ?” なんちゃって(笑)

【658】

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