なんとけふの暑さはと石の塵を吹く(鬼貫)
本日、九州から近畿・東海地方までの梅雨明けが発表されました。京都では平年より13日も早いのだそうです。ホント、暑かったです。いよいよ夏本番ですね。
…というわけで、今回は鬼貫の句を鑑賞します。
【なんとけふの暑さはと石の塵を吹く】
(なんときょうのあつさはと いしのちりをふく)
意訳:「なんと今日は暑いなぁ」(と言いながら)、腰掛け石のチリを吹く。
「夕涼」との前書きがあります。炎天下のそれも一日中の立仕事だったのでしょうか。夕方、ようやく解放されて一息入れました。
『それにしても今日は暑かったなぁ。そこにええ石があるがな。ちょっと腰掛けて涼もうか。ちょっと待ってや、ホコリを払うわ…ふぅ~っ』
単にこれだけのことです(笑)
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上島鬼貫(うえしまおにつら、1661-1738)は、伊丹の人。家業は酒屋でしたが俳諧に志し、芭蕉とも親交があったそうです。「まことの外に俳諧なし」と悟り、東の芭蕉、西の鬼貫とまで言われました。見たまま感じたままを詠んだ句が多く、表題の句もそのひとつです。この句に関しては、会話をそのまま句にした上に破調であることが、暑さを強調する効果を生んでいます。ただし後世の目から見れば、鬼貫の「まこと」は、芭蕉の「風雅の誠」とはいささか趣が異なります。むしろ「素直」で「軽妙」な作風なのだと思います。
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