ことば多く早瓜くるゝ女かな(蕪村)
蕪村の句
【ことば多く早瓜くるゝ女かな】(ことばおおくはやうりくるるおんなかな)
を鑑賞してみます。
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(意訳)瓜の初物を持って来てくれた女。今年の天候から始まって、ここまで育てる苦労、おいしく食べる方法などをしゃべりまくる。それはあまりに早口で、聞いてる方はあっけにとられてしまった。
※ことば=言葉
※早瓜=初物の瓜のこと。早口と掛ける?
※くるゝ=くれる
先日訪ねた知人の家で、メロンをごちそうになりました。メロンといえばウリ科の植物で、「甜瓜」とも書きます。「甜」は“甘い”の意味です。歳時記にて「瓜」のつく季語を探してみると、
『「甜瓜(テンカ)」と「胡瓜(キュウリ)」「西瓜(スイカ)」が夏の季語。「南瓜(カボチャ)」、「冬瓜(トウガン)」、「糸瓜(ヘチマ)」、「苦瓜(ニガウリ、ゴーヤ)」は秋の季語。 単に「瓜」といえば「マクワウリ(真桑瓜)」。名前の由来は、かつて美濃の真桑村でよく作られたから。そもそも、かつてはマクワウリを「甜瓜」と呼び、現在では「メロン」がそのまま夏の季語となっている…』
とまぁ、なんともややこしくなりました。おそらく、ほとんどの野菜・果物が年中店頭に並び、旬の季節がぼやけてしまっているからでしょうね。
さて、知人の奥さんがよくしゃべる女性だったかどうかはともかくとして、いただいたメロンは、めちゃくちゃおいしかったです。どーも、ごちそうさまでした!
【699】
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