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2013年7月19日 (金曜日)

飛石にとかぎの光る暑さかな(太祇)

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 暑さの中、涼みがてらに鴨川で遊んでみました。鴨の河原は絶好の納涼スポットです。何かいい句はないかな? と、炭太祇(たんたいぎ、1709-1771)の句を見つけました。

飛石にとかぎの光る暑さかな】(とびいしにとかぎのひかるあつさかな)

意訳:(鴨川の涼を求めて)飛び石で遊んでいたら、光るものが目に入った。トカゲだ! 冷汗が出て、かえって暑くなった。

※とかぎ=トカゲ(蜥蜴)

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 飛び石を石から石へ、ぴょんぴょんと飛び移っていたら、光る物体がサッと走りました。何? と思って見つめるとトカゲです。今も昔も爬虫類は嫌われ者です。「きしょくわる!」(当時は“きしょい”という言葉はなかったと思います(笑)) と叫んで、むしろ暑くなった…、という場面を想像します。

 炭太祇は江戸の生まれ。江戸時代中期の、宝暦から明和年間にかけて京都島原に住まいして活躍した俳人です。この句は鴨川の飛び石を詠んだものと考えてさしつかえないでしょう。鴨川には今も何ヵ所かの飛び石があり、川を横断することができます。適度な間隔があって、水に落ちないように渡るのは結構楽しいものです。子供たちやカップルが歓声をあげて遊んでいます。

 飛び石を渡るだけでもそれなりにスリリングなのに、トカゲとの取り合わせによって、どこか異様な雰囲気の漂う句になりました。秀句とは言えぬまでも、印象に残る作品に仕上がっています。

【692】

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